コラム

2025.08.25

見た目年齢は口元で決まる。失われた歯が招く「頬のこけ」「たるみ」と歯科にできること

 

 

ふと鏡に映る自分に驚く。「頬のこけ」「ほうれい線」…原因は肌だけじゃないかも?

・高級な化粧品を使っても、顔の印象が変わらない

年齢を重ねるにつれて深くなるほうれい線や、フェイスラインのたるみ。これらを改善しようと、話題の美容液を試したり、エステに通ったりと、熱心に肌の外側からのケアに取り組んでいる方は多いことでしょう。しかし、様々な努力をしても、期待したほどの変化が感じられない、とお悩みではありませんか。それはもしかしたら、問題の根本が皮膚の表面だけにあるのではなく、その土台となる顔の骨格、特にお口周りの構造に変化が生じているサインなのかもしれません。口元の構造的な変化は、歯科的なアプローチでなければ解決が難しい場合があります。肌へのアンチエイジングケアと併せて、その土台を見直すという新しい視点が必要です。

 

・口角が下がり、不機嫌そうに見られることが増えた

ご自身の意思とは関係なく、口角が「へ」の字に下がり、周りの人から「疲れている?」「何か怒ってる?」などと尋ねられることが増えた、と感じることはありませんか。これも、見た目年齢を上げてしまう悩ましいサインの一つです。口角の位置は、口の周りを囲む筋肉(口輪筋)の働きによって保たれていますが、その筋肉を内側から支えているのは、上下の歯の噛み合わせです。奥歯を失ったり、歯がすり減ったりすることで噛み合わせの高さが低くなると、口周りの皮膚や筋肉が内側へ落ち込み、口角が下がりやすくなります。これは、肌のハリや表情筋の衰えだけでなく、お口の中の構造的な問題が、顔の印象に直接影響を及ぼしている典型的な例と言えます。

 

・その「老け顔」サイン、お口の中に原因が隠れているかもしれません

頬のこけ、深いほうれい線、下がった口角。もしあなたが、これらの「老け顔」のサインに悩まされているなら、一度お口の中に目を向けてみてください。歯を失ったままにしていたり、合わない入れ歯を使っていたり、あるいは噛み合わせが大きく変化していたりしませんか。歯とそれを支える顎の骨は、顔の輪郭を形成し、皮膚や筋肉に内側からハリを与える土台です。この土台が崩れると、どんなに高価な化粧品を使っても改善の難しい、構造的な「たるみ」や「シワ」につながります。口元の健康状態は、あなたの見た目年齢に直結しているのです。歯科で行うアンチエイジングとは、この失われた土台を再建し、根本から若々しい印象を取り戻すアプローチです。

 

 

あなたの顔を支えているのは「歯」と「顎の骨」です

・歯は、唇や頬を内側から支える「柱」の役割

私たちが普段あまり意識することのない歯ですが、実は顔の見た目において、テントを内側から支える「柱」のような極めて重要な役割を担っています。例えば、前歯は唇の形や厚みを支え、口元にハリを与えています。もし前歯を失うと、唇が内側へ落ち込んで薄くなり、鼻の下から唇にかけての縦ジワが目立つようになります。同様に、奥歯は頬を内側から力強く支えています。奥歯を失うと、その支えがなくなるため、頬がこけて見えたり、げっそりとやつれたような印象になったりします。このように、歯は単に食べ物を噛むための道具ではなく、顔の軟組織を支持し、若々しい表情を保つための土台でもあるのです。口元のアンチエイジングを考える上で、この「柱」の存在は欠かせません。

 

・歯を支える土台「歯槽骨」が、顔の輪郭を形作っている

歯という「柱」を支えている、さらに重要な土台があります。それが、歯の根を取り囲んでいる「歯槽骨(しそうこつ)」という顎の骨です。歯槽骨は、歯をしっかりと支え固定すると同時に、それ自体がボリュームとなって顔の輪郭、特に下半分の形を決定づけています。ふっくらとした頬や、シャープなフェイスラインは、この歯槽骨が十分な厚みと高さを保っているからこそ維持されるのです。しかし、この歯槽骨は、歯が存在して初めてその形態を維持できるという大きな特徴があります。歯から伝わる「噛む」という刺激によって、骨は活性化され、その密度と量を保っています。つまり、歯と歯槽骨は、お互いに支え合うことで、顔の構造的な基盤を形成している、一蓮托生の存在なのです。

 

・口元の構造が、見た目年齢を左右する

ここまでお話ししてきたように、歯(柱)と歯槽骨(土台)が一体となって、私たちの口元の構造を形成し、顔全体の印象を支えています。この構造がしっかりしていると、顔の皮膚や筋肉に内側から適度なテンションがかかり、ハリのある若々しい表情が保たれます。逆に、歯を失うなどしてこの構造が崩れると、土台を失った皮膚や筋肉は行き場をなくしてたるみ、ほうれい線やマリオネットラインといった深いシワの原因となります。歯科で行うアンチエイジングとは、まさにこの考えに基づいています。皮膚の表面にアプローチするだけでなく、顔の根本的な構造である「歯と骨」を健全な状態に再建することで、機能的かつ長期的な若々しさの回復を目指す。これこそが、歯科だからこそできる、本質的なアン-チエイジングアプローチなのです。

 

 

歯を失うと、なぜ顔つきが変わるのか?「歯槽骨の吸収」というプロセス

・噛む刺激がなくなると、骨は「不要」と判断され痩せていく

私たちの体の骨は、刺激や負荷がかかることで、その強度と密度を維持しています。腕の骨折でギプスをはめていると筋肉が痩せ細るように、骨もまた、使われなくなると弱くなってしまいます。歯を支える歯槽骨にとって、最大の刺激は「噛む」という行為です。食べ物を噛む力は、歯の根を通じて歯槽骨に直接伝わり、「この骨は必要だ」というシグナルを体に送り続けています。しかし、歯を失うと、その部分の骨には一切の刺激が伝わらなくなります。すると体は、その骨を「不要なもの」と判断し、自ら骨を溶かして吸収し始めてしまうのです。「これは『廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)』と呼ばれ、使わないことで骨が痩せていく現象です。この骨の吸収こそが、口元の見た目を大きく変えてしまう根本的な原因です。

 

・奥歯を一本失っただけでも、骨の吸収は始まります

「奥歯だから見えないし、一本くらいなくても大丈夫」と、失った歯をそのままにされている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、骨の吸収は、歯を失ったその瞬間から、場所にかかわらず始まっています。特に、歯を抜いた後の最初の1年間は、骨の吸収が急速に進む時期です。歯があった場所に、ぽっかりと窪みができていくのをイメージしてください。その窪みの分だけ、あなたの顔の土台は確実に失われているのです。そして、この変化は一本の歯を失っただけでも起こり、隣の歯や噛み合う相手の歯の位置にも影響を及ぼし、お口全体のバランスを崩すきっかけとなります。アンチエイジングの観点からも、たった一本の歯の喪失を軽視せず、早期に歯科で対処することが非常に重要です。

 

・歯槽骨の吸収は、皮膚の下で起こる静かな変化

歯槽骨の吸収が本当に怖いのは、痛みなどの自覚症状が一切なく、皮膚の下で「静か」に進行していく点です。肌のシワのように、鏡を見て「少し濃くなったかな?」と日々の変化に気づくことはできません。骨が痩せていくプロセスは、自分では見えない場所で、しかし確実に進んでいます。そして、数年という長い時間をかけて骨の吸収がかなり進んだ段階で、初めて「頬がこけた」「ほうれい線が深くなった」といった、目に見える顔の変化として現れるのです。その時には、すでに顔の土台は大きく失われており、元の状態に戻すのは難しくなる場合があります。だからこそ、症状がないうちから歯科医院で定期的にチェックを受け、骨の状態を把握し、予防的な手を打つことが、口元の若々しさを保つ上で何よりも大切なのです。

 

 

土台を失った皮膚と筋肉に起こること。たるみ・シワの発生メカニズム

・頬がこける、ほうれい線が深くなる直接的な理由

頬のふっくらとしたハリは、その内側にある上顎の骨と、奥歯によって支えられています。歯を失い、歯槽骨の吸収が進むと、この頑丈な支えが失われます。すると、これまでピンと張っていた頬の皮膚や脂肪は、行き場をなくして内側へ落ち込み、頬がこけたような印象になります。また、ほうれい線(鼻唇溝)は、頬と口元の境界線です。頬の組織が、土台を失って重力に負けて垂れ下がると、この境界線の上にくい込むように溜まります。その結果、ほうれい線はくっきりと深い一本のシワとなって刻み込まれてしまうのです。これは、肌の弾力低下だけでなく、顔の内部構造の変化が直接的な原因となって現れる、アンチエイジングにおける深刻なサインと言えます。

 

・口周りの筋肉(口輪筋)の衰えと、口角の下がり

私たちの口の周りには、「口輪筋」という、口を閉じたり唇の形を整えたりする重要な筋肉がドーナツ状に存在します。この口輪筋は、歯と顎の骨によって、その高さと張りが適切に保たれています。しかし、特に奥歯を失うと、噛み合わせの高さが低くなり、口輪筋が「たるんだ」状態になります。適切に伸展されなくなった筋肉は、徐々にその緊張を失い、衰えていきます。この口輪筋の衰えは、口元のハリを失わせるだけでなく、唇の両脇にある口角を支える力を弱めてしまいます。その結果、口角は重力に引かれるまま下がり、「へ」の字口やマリオネットラインの原因となります。歯科的なアプローチで噛み合わせの高さを回復することは、この口輪筋の機能を正常化し、若々しい口元を取り戻すことにも繋がるのです。

 

・顔全体のバランスが崩れ、見た目年齢が進行する

頬がこけ、ほうれい線が深まり、口角が下がる。こうした口元の変化は、顔全体のバランスにまで影響を及ぼします。歯を失い、顎の骨が痩せることで、顔の下半分(鼻の下から顎の先まで)の長さが物理的に短くなります。すると、顔全体のプロポーションが崩れ、相対的に鼻や顎が目立つようになったり、下顔面が詰まったような、いわゆる「老け顔」特有の顔つきに変化していきます。この構造的な変化は、どんなに優れたスキンケアやエステティックをもってしても、根本から改善することは困難です。歯科で行うアンチエイジング治療は、失われた歯と骨という「構造」を再建することで、顔の土台から若々しいバランスを取り戻すことを目指します。それは、表面的な美しさではなく、機能に裏付けられた、健康的で長期的な美しさの回復です。

 

 

口元からのアンチエイジング。失われた土台を再建する歯科治療とは

・歯を補うことは、顔の構造を立て直すこと

失われた歯を補うことは、単に「隙間を埋める」という行為ではありません。それは、失われた顔の土台を再建し、崩れかけた建物を内側から補強する、建築的なアプローチに近いものです。歯を適切な位置に適切な形で補うことで、唇や頬に内側からハリが戻り、支えを失って深くなったほうれい線やマリオネットラインが浅くなる効果が期待できます。これは、肌の表面に何かを塗るのではなく、顔の骨格レベルから構造を立て直すことによる、根本的な変化です。歯科で行う口元のアンチエイジングとは、まさにこの「構造の再建」を指します。失われた歯を取り戻すことは、若々しい顔立ちの基盤そのものを取り戻すことに他ならないのです。

 

・機能回復(噛む)と審美回復(見た目)は、車の両輪

優れた歯科治療において、「しっかり噛める」という機能の回復と、「自然で美しい」という見た目の回復は、決して切り離して考えられるものではありません。これらは、まさに車の両輪のような関係です。例えば、失った歯を補って左右の歯で均等にしっかりと噛めるようになると、顎の骨に適切な刺激が伝わり、骨が痩せるのを防ぎます。また、顔の筋肉がバランス良く使われることで、顔の歪みも防げます。こうした機能的な土台があって初めて、長期的に安定した美しい口元が実現できるのです。逆に、見た目だけを追求し、機能をおろそかにした治療は、長持ちしません。歯科が目指す真のアンチエイジングとは、しっかりと噛めるという健康的な機能を取り戻した結果として、自然で若々しい見た目がついてくる、という考え方に基づいています。

 

・あなたの選択が、未来の顔つきを変える

歯を失ったことによる顔つきの変化は、何もしなければ、時間と共にゆっくりと、しかし確実に進行していきます。骨の吸収は進み、たるみやシワはさらに深くなっていくでしょう。しかし、ここで重要なのは、あなた自身の「選択」によって、その未来を変えることができるという点です。失われた歯を適切な方法で補うという選択をすれば、骨の吸収を食い止め、顔の構造を支え、見た目年齢の進行を緩やかにすることが可能です。つまり、今のあなたの決断が、5年後、10年後のご自身の顔つきを大きく左右するのです。これは、単なる一つの歯科治療の選択ではなく、未来の自分への投資と言えるかもしれません。まずは、ご自身の現状と、どのような未来の可能性があるのかを、専門家と一緒に知ることから始めてみませんか。

 

 

インプラント、ブリッジ、入れ歯。それぞれの治療法で、顔つきはどう変わる?

・インプラント:骨の吸収を抑え、内側からハリを保つ

インプラント治療は、失われた歯の場所に、チタン製の人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、それを土台として人工の歯を装着する方法です。この治療法の最大の特徴は、人工歯根が顎の骨と直接結合する点にあります。これにより、噛む力がインプラントを通じて顎の骨に直接伝わり、天然の歯があった時と同様の刺激が骨に与えられます。その結果、歯を失うと避けられなかった「歯槽骨の吸収」を効果的に抑制することができるのです。骨のボリュームが維持されることで、顔の輪郭は保たれ、頬や唇に内側から自然なハリが生まれます。口元の構造そのものを再建し、長期的な若々しさを維持するという意味で、歯科のアンチエイジングにおいて効果が期待できる治療法の一つと言えます。

 

・ブリッジ:隣の歯を支えにするが、失った部分の骨は痩せる

ブリッジ治療は、失った歯の両隣にある健康な歯を削って土台とし、橋(ブリッジ)を渡すように一体型の被せ物で歯を補う方法です。比較的短期間で治療が完了し、固定式であるため、噛み心地も良好に回復します。見た目も自然で、失った歯の機能と審美性を手軽に回復できる優れた治療法です。しかし、顔のアンチエイジングという観点では、一つ大きな欠点があります。それは、歯のない部分の顎の骨(歯槽骨)には、噛む力が伝わらないという点です。人工の歯は、歯ぐきの上に乗っているだけで、骨には刺激が加わりません。そのため、ブリッジの下の骨は、歯を失った時と同様に、時間と共に徐々に痩せていってしまいます。その結果、頬がこけたり、たるんだりといった顔つきの変化を防ぐことは難しいのです。

 

・入れ歯:唇や頬を支えるが、骨への刺激は少ない

入れ歯(部分入れ歯)は、失った歯を補うための、取り外しが可能な装置です。比較的、広範囲に歯を失った場合にも適応でき、残っている歯を大きく削る必要がないという利点があります。入れ歯を装着することで、失われた歯のスペースが埋まり、唇や頬を内側から支えるため、装着直後は口元にハリが戻り、シワが目立たなくなるなどのアンチエイジング効果を感じることができます。しかし、入れ歯は歯ぐきの上に乗っているだけなので、噛む力は歯ぐきの粘膜に分散されてしまいます。骨に直接的な刺激が伝わらないため、歯槽骨の吸収を防ぐ効果はほとんど期待できません。むしろ、合わない入れ歯を使い続けると、不均一な圧力がかかり、かえって骨の吸収を早めてしまうことさえあります。

 

 

歯の本数だけじゃない。噛み合わせや歯周病も見た目年齢に影響する

・噛み合わせのズ레が引き起こす、顔の歪みとエラの張り

見た目年齢を左右するのは、失った歯の有無だけではありません。残っている歯の「噛み合わせ」も、顔の印象に大きな影響を及ぼします。例えば、無意識に片側ばかりで噛む癖があったり、歯ぎしりや食いしばりがあったりすると、特定の筋肉(咬筋)が過剰に発達します。これが、顔の左右のバランスを崩す「顔の歪み」や、下顎の角が張って見える「エラの張り」の原因となるのです。顔の筋肉は、噛み合わせという土台の上でバランスを保っています。歯科で噛み合わせの治療を行うことは、この筋肉のアンバランスを解消し、より対称的で、すっきりとしたフェイスラインを取り戻すことにも繋がります。これもまた、口元からアプローチする、重要なアンチエイジングの一つです。

 

・歯周病による歯ぐきの後退と「ブラックトライアングル」

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶かされるだけでなく、歯ぐきも痩せて下がってきます(歯肉退縮)。すると、歯が以前より長く見えるようになり、それだけで老けた印象を与えてしまいます。さらに、歯と歯の間にあった三角形のピンク色の歯ぐき(歯間乳頭)が痩せることで、「ブラックトライアングル」と呼ばれる黒い三角形の隙間ができてしまいます。この隙間は、口元の見た目を損なうだけでなく、食べ物が詰まりやすくなったり、息が漏れて発音に影響が出たりすることもあります。歯周病の治療によって、これ以上の進行を食い止めることはもちろん、状態によってはヒアルロン酸の注入や修復治療によって、この隙間を目立たなくすることも可能です。

 

・健全な口腔環境こそ、効果的なアンチエイジングの1つ

ここまでお話ししてきたように、失った歯、噛み合わせのズレ、歯周病による歯ぐきの後退など、様々な歯科的要因が見た目年齢に深く関わっています。つまり、本当の意味での口元のアンチエイジングとは、表面的な美しさを追い求めることではなく、これらの問題を解決し、「健全な口腔環境」を取り戻し、維持することに他なりません。全ての歯が揃い、正しく機能し、健康な歯ぐきと顎の骨に支えられている。この健康的な状態こそが、内側から自然なハリと若々しい表情を生み出すのです。お口の健康は、若々しさの土台そのものです。まずはご自身のお口の状態を正しく知り、健康を取り戻すことで、効果的なアンチエイジングを始めてみませんか。

 

 

「審美」と「機能」の両方を叶えるために。歯科医院でのカウンセリング活用法

・あなたが望む「美しさ」と、医学的に「健全な状態」をすり合わせる

歯科医院でのカウンセリングは、患者様が望む「理想の美しさ」と、私たちが専門家として提供すべき「医学的に健全で、長期的に安定する状態」という二つのゴールを、対話を通じて一つにすり合わせていくための、非常に重要な時間です。「ほうれい線を浅くしたい」「頬のこけを改善したい」といった、あなたの率直なご希望をぜひお聞かせください。私たちはそのご希望をしっかりと受け止めた上で、精密な診査・診断に基づき、それを実現するための具体的な歯科的アプローチをご提案します。時には、患者様の理想が、医学的な観点から見て長期的な健康を損なうリスクを伴う場合もあります。そうした場合には、なぜそれが推奨できないのか、そして代替案としてどのような方法があるのかを、誠実に説明させていただきます。この丁寧なすり合わせこそが、満足度の高い口元のアンチエイジング治療の第一歩です。

 

・シミュレーションなどを活用し、治療後の顔の変化をイメージする

「歯を治療したら、顔の印象がどう変わるのか、具体的に見てみたい」。そう思われるのは当然のことです。多くの歯科医院では、治療後の変化を事前に視覚化し、患者様とイメージを共有するためのツールを導入しています。例えば、お顔や口元の写真をコンピューターに取り込み、画面上で歯の形や色、位置などを変化させて、治療後の口元の変化をシミュレーションする方法があります。また、患者様のお口の模型上で理想的な歯の形をワックスで再現したり、場合によっては、お口の中で直接、仮の材料を使って治療後の歯の形態を再現する「モックアップ」という手法を用いたりすることもあります。これらのツールを活用することで、治療に対する不安を軽減し、「こんなはずではなかった」という治療後のミスマッチを防ぐことができます。納得してアンチエイジング治療に進むための、大切なプロセスです。

 

・長期的な視点での治療計画を一緒に立てる

口元のアンチエイジング治療は、一度行ったら終わり、というものではありません。治療によって手に入れた美しく健康な状態を、いかに長く維持していくかという、長期的な視点が不可欠です。信頼できる歯科医院では、治療後のメンテナンス計画まで含めた、包括的な治療計画を立案します。まず、歯周病など、土台となる部分の問題を解決し、その後、失われた歯を補い、最終的に全体の噛み合わせを整える、といった治療の順序。そして、治療後はどのような頻度で、どのようなメンテナンスが必要になるのか。そうした将来的な見通しまで含めて、患者様と一緒に計画を立てていきます。あなたのライフスタイルや価値観も尊重しながら、無理なく継続できる長期的なプランを共に考える。それこそが、あなたの未来の笑顔に責任を持つ、真のパートナーとしての役割だと私たちは考えています。

 

 

「口元のアンチエイジング」に関する、よくある質問(FAQ)

・Q. 昔抜いたままの場所でも、治療は可能ですか?

はい、歯を抜いてから時間が経過している場合でも、多くの場合で治療は可能です。ただし、歯を失ったまま長期間放置すると、その部分の顎の骨(歯槽骨)が徐々に痩せてしまう傾向があります。また、隣の歯が倒れ込んできたり、噛み合っていた歯が伸びてきたりと、お口全体のバランスが崩れていることも少なくありません。こうした状態は、頬のこけや口元のしわの原因ともなり得ます。治療法としてはインプラント、ブリッジ、入れ歯などが選択肢となりますが、特にインプラント治療を希望される場合、骨の量が不足しているケースでは「骨造成」という骨を補う処置が必要になることがあります。放置期間が長いほど治療計画が複雑になる可能性はありますが、諦める必要はありません。現在の骨の状態や歯並びを精密に検査し、最適な治療法をご提案いたしますので、まずは一度ご相談ください。

 

・Q. 治療で、ほうれい線は完全に消えますか?

歯科治療によってほうれい線が改善される可能性は十分にありますが、「完全に消える」と断言することは困難です。ほうれい線の原因は、加齢による皮膚のたるみや表情筋の衰えだけでなく、歯を失ったことによる口元の骨格の変化も大きく関わっています。特に奥歯を失うと、頬を内側から支える力が弱まり、ほうれい線が深く刻まれる一因となります。歯科で行う「口元のアンチエイジング」は、失った歯をインプラントやブリッジなどで補い、適切な噛み合わせを回復させることで、口元の土台を内側からしっかりと支え直すアプローチです。これにより、頬にハリが戻り、結果としてほうれい線が浅く見える効果が期待できます。ただし、歯科治療はあくまで骨格的なサポートが目的であり、皮膚自体の状態を直接変えるものではありません。ご自身のほうれい線の原因と、歯科治療でどこまで改善が見込めるか、まずは専門的な診断を受けていただくことが重要です。

 

・Q. 費用や期間はどのくらいかかりますか?

治療にかかる費用や期間は、患者様一人ひとりのお口の状態や治療計画によって大きく異なるため、一概にお答えすることはできません。例えば、失った歯が1本なのか複数本なのか、インプラント・ブリッジ・入れ歯のどの方法を選択するのか、見た目の美しさを追求するセラミックなどの素材を使用するのかによって費用は変動します。特に、機能性だけでなく審美性も重視する「口元のアンチエイジング」を目的とした歯科治療は、自由診療となるケースがほとんどです。治療期間についても、数ヶ月で完了する場合もあれば、骨の造成や歯周病の治療、矯正治療などが必要な場合は1年以上の期間を要することもあります。まずは歯科医院でカウンセリングと精密検査を受け、ご自身の状態を正確に把握することが第一歩です。その上で、具体的な治療計画の選択肢と、それぞれに伴う費用・期間のお見積もりをご提示し、ご納得いただいてから治療を開始いたします。

 

・Q. 顔の体操やマッサージで、頬のこけは改善しますか?

顔の体操やマッサージは、お顔の血行を促進し、表情筋を刺激することで肌にハリを与える効果が期待でき、頬のこけの予防や軽度の改善には役立つ場合があります。しかし、頬のこけの根本的な原因が、歯を失ったことによる顎の骨の減少にある場合、セルフケアだけで改善するには限界があります。歯は、その歯根を通じて顎の骨に刺激を与え、骨の健康を維持する役割を担っています。歯を失うと、その部分の骨は刺激を受けなくなり、徐々に痩せていってしまいます。骨という土台が痩せてしまうと、その上の筋肉や皮膚も一緒に落ち込み、頬がこけて見えてしまうのです。この土台自体の問題を、表面的なマッサージで解決することは困難です。歯科医院で行う口元のアンチエイジングは、インプラント治療などで失われた歯の機能とボリュームを回復させ、骨格という土台から頬を支え直すアプローチです。セルフケアと専門的な歯科治療を組み合わせることが、より効果的な改善への近道と言えるでしょう。

 

 

 

汐留駅から徒歩5分の歯医者・歯科
患者様の声に耳を傾ける専門の歯科クリニック
監修:《 オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック 》
住所:東京都港区東新橋2丁目14−1 コモディオ汐留 1F
電話番号 ☎:03-3432-4618

*監修者
オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック東京
ドクター 櫻田 雅彦
*出身大学
神奈川歯科大学
略歴
・1993年 神奈川歯科大学 歯学部
                 日本大学歯学部大学院博士課程修了 歯学博士
・1997年 オリオン歯科医院開院
・2004年 TFTビル オリオンデンタルオフィス開院
・2005年 オリオン歯科 イオン鎌ヶ谷クリニック開院
・2012年 オリオン歯科 飯田橋ファーストビルクリニック開院
・2012年 オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック開院
・2015年 オリオン歯科 アトラスブランズタワー三河島クリニック 開院
*略歴
インディアナ大学 JIP-IU 客員教授
・コロンビア大学歯学部インプラント科 客員教授
・コロンビア大学附属病院インプラントセンター 顧問
ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・アジア太平洋地区副会長
・AIAI(国際口腔インプラント学会)指導医
・UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)インプラントアソシエーションジャパン 理事
・AO(アメリカインプラント学会)インターナショナルメンバー
・AAP(アメリカ歯周病学会)インターナショナルメンバー
・BIOMET 3i インプラントメンター(講師) エクセレントDr.賞受賞
・BioHorizons インプラントメンター(講師)
日本歯科医師会
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会 認定医
ICD 国際歯科学士会日本部会 フェロー
JAID(Japanese Academy for International Dentistry) 常任理事

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