コラム

2013.03.14

歯周ポケットについて

こんにちは。南雲です。

 

だんだん春らしい陽気になってきましたが、季節の変わり目で皆さん体調など崩されていませんか?

 

今日は歯周ポケットについてのお話をしようと思います。

皆さんは歯周ポケットって聞いた事ありますか?

 

最近は歯磨き粉のCMなどでもよく耳にするかと思いますが、何の事かよくわからない方も多いのでは?

実は歯科医院で歯茎の健康を調べるときに欠かせないチェックポイントです。

まず、歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目の溝の事をいいます。

 

 

歯は歯茎とピッタリつながっているように見えますが、歯と歯茎にはわずかな隙間があります。この隙間が2ミリ以下の浅い溝なら良いのですが、深い溝になるとお口の中の汚れが溜まりやすくなります。

 

ご自身で鏡を見ただけではわからない歯周ポケットの深さですが、歯科医院では細い針の先に1ミリ単位の目盛りがついた専用の器具を、ポケットに入れて深さを測ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

健康な歯茎では2〜3ミリと言われていますが歯周病が進行した場合は6ミリ以上になる事があります。歯周ポケット内に溜まったお口の汚れ(プラーク)の中では細菌が繁殖しやすく、固く歯ブラシでは取れない歯石も出来て、歯茎の炎症を進めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

その結果歯を支える土台である歯槽骨を溶かしてしまいます。

つまり、歯周ポケットが深いという事は歯を支えているはずの歯槽骨がなくなっている事を表しています。人の歯の根は長い物でも10数ミリですので、6ミリ以上の溝に囲まれているという事はグラグラと不安定な事が想像できます。

 

 

ポケットが深い場合必ず汚れがそこに溜まっています。

 

逆に言うと、汚れが溜まる為に周りの歯槽骨が溶けてなくなり、さらにポケットが深くなるという事です。

歯茎は汚れの為の炎症で腫れ上がっているので、あたかも歯はしっかりと支えられているかのように見えますが本当は骨の支えがなく不安定です。

 

そして歯周病で一番厄介なのが、痛みがほとんどないので本人に自覚がないという事です。

 

先日、私の知人が検診で当院に来たのですが、小さい頃からあまり虫歯で困った事が無く、やはりお口の中もほとんど虫歯がないような状態でした。

しかし、年齢のわりに歯周ポケットが深いところが見られ、その歯には歯石がしっかりと付着していました。ご自身では虫歯が無い事が自慢だったので、毎日一生懸命磨いていたつもりでしたが、うまく磨けていなかったようです。

 

痛みが無く、気づかないうちに進行しているというのは、実は虫歯よりも恐いかもしれません。

 

深いポケットをそのままにしておくと、いずれは歯を支える骨がなくなって歯は自然と抜け落ちてしまいます。そうなる前に歯周病の治療は、このポケット内にある汚れ(歯垢や歯石)を取り除き、歯茎の炎症を抑えて引き締め、これ以上歯槽骨が溶けて無くなるのを食い止める治療です。

 

治療を行うと歯茎が引き締まってポケットは浅くなります。

ポケットに溜まった頑固な汚れを取り除き、患者さんにはポケットに汚れが溜まらないようにご自宅で歯磨きを頑張っていただく事が重要です。

歯周ポケットの意味を知り、ご自分のお口のどこにブラシを当ててお掃除したらよいかを意識するだけでずいぶんその成果はあがります。

 

歯茎の溝をイメージして、ゆっくり優しく丁寧に磨いていきましょう。

当院では、初診の流れで歯周ポケットを測らせていただいています。

ぜひ、今お痛みが無くても一度検診にいらしてくださいね。

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