こんにちは、衛生士の横山です。
今日は虫歯菌の恐ろしさについてお話していきたいと思います。
現在の「虫歯」を起こしている虫歯菌ですが、「ミュータンス菌」には幾つか種類が存在します。今はまだ、どの菌とどの菌が虫歯を起こすというのは確定していません。
抗生物質は研究されていますが、まだ開発されていません。そのミュータンス菌の一種に「コラーゲン結合たんぱく質」を持つ特定の菌が存在します。
大人の7~8%の口腔内に存在すると言われている菌です。「コラーゲン結合たんぱく質」を発現することができ、傷口が存在するとそこから血管へ移動し血管内皮に付着する。とくに傷のついた場所に付着し、そこの組織を溶かしてしまいます。そして、血液が固まろうとする事を阻止してしまいます。
血液を通して血管内を移動し、あちらこちらで同じような症状を起こすと血管が破けてしまいます。ともとは口腔内が住処の菌なので、血管を通して「脳」へ移動しやすいのです。
何かのはずみで脳血管へ移動し、血管を破いてしまうと「脳出血」が起こってしまいます。脳出血患者を調べると30パーセント近くの患者がコラーゲン結合タンパク質を発現するミュータンス菌を持っていたそうです。
実に脳出血でない人の5倍近い数値だそうです。脳に限らず腸へ進入すると「潰瘍性大腸炎」も引き起こす危険があります。ちなみに「潰瘍性大腸炎」とは出血性の下痢や腹痛を起こす炎症性の病気です。国内に11万人以上の患者がおり、毎年8千人以上増えているそうです。
ミュータンス菌と呼ばれる種類の菌はとにかく口腔内が大好きで、歯に付着した歯垢をえさに生きています。生まれてすぐの頃はミュータンス菌はいません。口から口へ感染して保菌しているのが現状です。唾液を通して感染します。
歯磨きやうがいなど、常に口腔内を清潔に保つ事が一番の予防です。「フッ素入り歯磨き粉」の使用や「フッ素塗布」してもらいに歯科へ定期的に通うのも効果的です。