コラム

2015.05.19

歯周病と咀嚼について

こんにちは、衛生士の横山です。

今日は、噛むことと歯周病についてお話していきたいと思います。

日本人に歯周病が多い理由とは?

現代人は、歯周病にかかる割合が非常に高いと言えます。
特に、私たち日本人は、その8割近くが歯周病にかかっていると言われています。

虫歯にかかりやすいというのは、その原因をある程度予想が出来ると思います。

例えば、甘いものを沢山食べる習慣であったり、歯並びが悪く、歯磨きをきちんと行えていなかったりといった原因を挙げることができます。

では、歯周病の原因はどうでしょうか。
そしてなぜ、歯肉炎などが悪化して、歯槽膿漏を発症してしまうのでしょうか。

実は、これらには「噛む」という行為が関係しています。
ここでは、噛むことと歯槽膿漏との関係について、少し詳しく解説します。


良く噛むことのメリット

歯肉炎や歯槽膿漏といった病気は、歯茎が細菌に感染することから始まります。
ですので、これらの病気を予防するためには、できるだけお口の中を清潔に保つことが重要となります。

「それなら歯磨きを徹底すれば良いのでは?」

と思われることでしょう。

確かに、毎日の歯磨きを正しく行っていれば、プラークや歯石がたまらず、虫歯や歯周病を予防することもできるかもしれません。

けれども、実際に虫歯や歯周病にかかっていない人は、単に歯磨きが上手なだけではないのです。

おそらく、そうした人たちは日頃からご飯を良く噛んでいることでしょう。

良く噛むという行為には、実に沢山のメリットがあるのです。


良く噛むと唾液が沢山分泌される!

小さい頃から、ご飯は良く噛んで食べるように言われてきた方が多いかと思います。
そこには、食べ物を細かく砕いて、飲み込みやすくすると目的以外にも、いくつかのメリットが存在しています。

まず第一に、良く噛むことは唾液の分泌を促進してくれます。

この唾液というのは、単なる水ではありません。

その中には、歯を修復する材料が含まれていたり、細菌を殺す成分が溶け込んでいるのです。
ですから、良く噛めば噛むほど、沢山の唾液が出てきて、歯を修復したり、お口の中の細菌を殺す働きをしてくれていたのです。

歯槽膿漏を始めとした歯周病というのは、細菌感染によって生じる病気です。
そのため、唾液によってお口の中の細菌数が減ってくれれば、それだけ歯槽膿漏を予防することにもつながるのです。


良く噛むことで筋肉が鍛えられ血行も良くなる!

良く噛むことによって、顎の筋肉が鍛えられます。
筋肉が鍛えられると、その周囲の血行が良くなります。

血液の中には、細菌を殺してくれる物質や細胞が存在していますので、血液の循環が良くなると、免疫力が高くなります。

これが歯槽膿漏予防につながっていくのです。

歯槽膿漏は、歯や歯茎、それから歯槽骨などで細菌感染が起こる病気です。
良く噛むことによって血液の循環が良くなり、その血液中に含まれる物質や細胞が、細菌を殺してくれるのです。

このように、良く噛むことと歯槽膿漏の予防には、密接な関係があるのです。

 

食事の際はよく噛み口腔内の清潔の手助けをし、顎も鍛えるようにしましょう。

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