こんにちは。歯科医師の南です。
6月4日から10日までの一週間、歯と口の健康週間がはじまります。
歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療を徹底することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進に寄与することを目的としています。
2014年度(平成26年度)は「歯と口は 健康・元気の 源だ」の標語のもと、全国各地で地域住民参加型の各種啓発事業を展開しているみたいです。
歯やお口の病気といえば「虫歯」「歯周病」を思う方もいらっしゃるかと思いますが、この2つの病気の最終的な経過は、「歯の喪失」にあります。
歯が喪失すると咀嚼[そしゃく]機能が落ち、柔らかいものしか食べられなくなるなど食生活が変化し、この食生活の変化により、栄養の偏りによる生活習慣病を招いたり、食欲の低下による低栄養を招くことが考えられています。
特に、低栄養状態が長く続くと、タンパク質の摂取が不十分なことから起きる「筋力の低下」、そして「運動機能の低下」などを招くなど、つまり身体能力が損なわれることの要因になるとして非常に重要視されています。
また、お口の中の歯周病菌は、歯の周りに炎症を引き起こすだけではなく、だ液に混じった歯周病菌が肺に運ばれることで、誤嚥性[ごえんせい]肺炎が引き起こされたり、炎症性物質が血管に入ることで、動脈硬化を引き起こす可能性があると言われています。
「歯と口の健康週間」。身体の健康に繋がることもある歯やお口の健康状態について、 今一度考えてみてはいかがでしょうか。