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2015.08.06

電動歯ブラシは使用すべきか否か?

こんにちは。歯科医師の南です。

 

電動歯ブラシを使えば完璧に歯垢を除去できる、そんなイメージを抱いてしまう広告をご覧になったことがあるでしょう。

それはかなりの誇張といっていいと思います。

電動歯ブラシは魔法のような歯ブラシでは決してありません。

手動ではなく、自動で動くツールの一種だと考えてください。

 

自分の手と違って常に同じ振動、力加減で動いてくれるので、手が疲れて最後まで同じように磨けないという手動時のような心配はいりません。

手動だろうが電動だろうが、正しい位置に歯ブラシの毛先を当て、正しい磨き方をすることが重要なのであって、ツールの種類によって磨ける度合いが大きく違うということはないのです。

 

電動歯ブラシは手動の歯ブラシに比べ、確かにより短時間で歯垢を除去できるという側面もありますが、磨く時間が極端に短くなったり磨き方が雑になりかえって磨き残しが多くなることもあります。

また、高速振動で磨くので、強く歯に当てすぎると歯や歯ぐきを痛めますので、使い方には十分に注意をする必要があります。

 

電動歯ブラシは次の3種類に分類されます。

振動数が毎分5000回で低価格の電動歯ブラシ。

振動数が毎分約30000回の音波式電動歯ブラシ。

約160万ヘルツで振動のない超音波電動歯ブラシ。

 

超音波電動歯ブラシはヘッドの部分に超音波振子を備え、超音波が水や唾液を通じて作用し歯にこびりついた歯垢を分解するというものです。

振動しないため手動と同じように歯ブラシを動かして磨く必要があります。

 

いずれにしろ、歯磨き粉をつけて歯の一本一本を丁寧に磨くという所作は、手動となんら変わりません。