ブログ

2014.11.11

骨粗鬆症とビスフォスフォネート

こんにちは、衛生士の横山です。

今回は骨粗鬆症とビスフォスフォネートについてお話していきたいと思います。

・骨粗鬆症とは

骨密度は20 歳前後でピークに達し、40歳代まではほぼ一定ですが50歳頃から急激に低下しはじめます。

骨を作るのに必要なカルシウムは、腸から吸収されて骨に取り込まれますが、年齢と共にカルシウム吸収が悪くなるのも骨密度を低下させる原因の一つです。

骨粗鬆症の治療には、カルシウムの吸収を促す薬や骨密度を増加させる薬などが用いられます。しかし、バランスのとれた食事や適度な運動は骨密度の低下を防ぎ、低下速度を遅らせることができます。

骨粗鬆症の発病には、食事や運動の習慣なども深く関わっています。

 

骨粗鬆症と診断された場合には、薬による治療が有効です。

治療薬には、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、女性ホルモン製剤(エストロゲン)ビスフォスフォネーと製剤、SERM(塩酸ラオキシフェン)、カルシトニン製剤などがあります。

 

・ビスフォスフォネート製剤と顎骨壊死

ビスフォスフォネート製剤は骨吸収を抑制して骨形成を促すことにより、骨密度を増す作用があります。

骨粗鬆症治療薬の中で最も有効性が認めており抗がん剤としても多く使用されています。

ビスフォスフォネートは腸で吸収されて骨に至り、破骨細胞に作用して過剰な骨吸収を抑えます。骨吸収が緩やかになると骨形成が追いついて骨密度の高い骨になります。

しかし、ビスフォスフォネート製剤の副作用の一つに抜歯、歯科インプラント埋入や歯周外科処置後に顎骨(あごの骨)の壊死が起こることがあります。

これを予防するためには投与を受ける前に歯科検診で十分な検査を行う事、抜歯などの外科的処置が必要と歯科医師が判断した場合には、可能な限り骨粗鬆症治療の開始前に完了し、歯周組織の状態を良好にしておくことが、推奨されています。

また歯科を受診する場合にこの製剤を服用していることを歯科医師に伝える必要があります。

ビスフォスフォネート製剤の顎骨壊死を防ぐ最善の方法は、口腔衛生を良く保つ事と定期的な歯科検診などです。