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2014.12.22

歯周病について

こんにちは。歯科医師の垣田です。
今日歯周病についてお話しようと思います。

あまり知られていませんが今日の歯周病は糖尿病や高血圧と同じ生活習慣病と位置づけられています。

糖尿病や高血圧になる大変だ!!!と思う方は多いと思います。

歯周病になると大変だ!!!と思う方は他の生活習慣病に比べ少ないと思います。

なぜ?
痛くない、症状がない、ある程度なくても噛める、ブリッジを入れれば、入れ歯を入れれば、インプラントを入れれば…

日本の歯科は国民皆保険制度により安くある程度噛める段階まで回復できるため、歯が失くなることに対してのデメリットがわからず不安や恐怖がないからでは?と思います。それを世に広められなかった私達歯科医の責任でもありますのでこの場を借りてお詫び申し上げます。

では少し怖いお話をいたしましょう

確かに他の生活習慣病と比べ歯周病が死因になることは無いのでしょうがないかもしれませんが…
歯周病菌が肺に入れば肺炎(誤嚥性肺炎)になり、また歯周病菌は心臓や血管内で血栓を作りやすくし、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります。他にも糖尿病においては、インシュリンの働きを妨げ血糖のコントロールを困難にしたり、妊婦においては歯周病菌が子宮内で陣痛を促進させる働きをし早産(低体重出産)の原因にもなります。また歯周病等で歯を損失した場合、認知症についてですが、自分の歯が20本以上ある人に比べ、歯がほとんどなく入れ歯も使っていない人で1,9倍、同様にあまり噛めない人は何でも噛める人の1,5倍、ちなみにかかりつけ歯科医がいない人はいる人の1,4倍の差があります。

ちなみに日本人の死因は

1位 ガン
2位 心疾患
3位 脳血管疾患
4位 肺炎

2,3,4位の疾患と関わりをもっています。侮れません、歯周病。

難しい話ばかりしていてもあまり実感はわかないかもしれないので、もっと普段感じられる歯周病のお話しをしましょう。

歯を失う原因としては歯周病が約50%、むし歯が約40%と言われています。
歯周病とは簡単に言ってしまえば骨が病的に溶けてしまう病気です。
自覚症状がないため、歯がグラつくなどの症状が出た時は重度の可能性があります。
いままで自分の歯で噛めていたのに…特に高齢になってからの環境の変化はとても辛いものがあります。
想像して見てください。

歯周病とは、お家に例えるなら家の基礎がダメになっていく様なもの。むし歯治療はお家の外観をよくする様なものとお考えください。どんなに見た目を良くしても基礎がダメならお家は倒れてしまいます。
では、高いお金を払って入れるセラミックなどの白い歯は見た目だけなのか?と思うかもしれませんが、これも歯周病予防と関係してきます。
そして溶けてしまった骨はそうそう回復できません。

では、どうしたら歯周病予防ができるのか。
歯ブラシで磨く。
正しい歯ブラシの使い方をしてブラッシングする。
フロス、歯間ブラシを使う。
そして、歯科医院の定期検診を受ける。そして歯石があればとってもらう。

そんなに難しくはありません。多少の根気は必要かもしれません。
ただ習慣になってしまえばどってことないです。
美容院にいくように歯科医院に行く。
身体を洗うように歯も磨く。
髪の毛を10年切らない人はあまりいませんよね?歯科に10年行ってない人はいます。
身体も洗わない人はいませんよね?若い時面倒臭くて適当に歯を磨く人はいます。
おかしいですねぇ

歯周病の治療の大半はブラッシングです。歯科医院では歯石をとったり、癖で磨けていないところを見つけたり、虫歯になってゴミが溜まるのを早期に発見したりです。先ほど言っていたセラミックはプラークが付きづらい性質があります。
定期的に来ていただければ回数も時間も少なくてすみます。もちろん金額もその分負担は減ります。
歯周病も予防できます。好い事ずくめです。

色々と書きましたが、ようはしっかり構えていれば怖くない病気です。でもなると怖い病気です。

症状としては、初期の段階ではほぼ自覚症状はありませんが
歯茎から血が出る
口臭がする
口の中がネバネバする
歯茎が腫れている
歯茎が赤、赤紫色になった
歯茎から膿が出る
硬いものを噛むと痛い
歯がグラグラする
歯茎が下がって歯が長く見える
歯と歯の間の隙間が大きくなってものが挟まる

以上のような症状がある方、または今から予防を始めたい方
オリオン歯科一同お待ちしております。