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2014.10.06

歯周病と糖尿病

こんにちは、衛生士の横山です。

今日は歯周病と糖尿病についてお話していきたいと思います。

日本人の糖尿病

強く疑われる人=約890万人
可能性を否定できない人=約1320万人
合わせると2,210万人いると推定されます

(平成19年国民健康・栄養調査より)

歯周病は糖尿病の合併症の一つ

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという報告があります。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

 

歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。 血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り血糖値に悪影響を及ぼします。 血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。 TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

歯周病の治療による血糖コントロールへの影響

歯周病を合併した糖尿病の患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています(左図)。

全身の健康に歯科が出来ること

血管内に発生するプラーク

歯肉の炎症が全身に多くの影響を与えることは明らかになってきています。 歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります

歯周病は痛みが出てきて気付いた時には歯の保存が難しくなってしまうくらい進行してしまうこともあります。

そうなってしまう前に検診を行い、ご自身の口腔内を把握できるようにしましょう。