ブログ

2014.02.18

酸蝕歯

こんにちは。

オリオン歯科 歯科医師の木村です。

 

虫歯の原因菌の出す酸が歯を溶かすということは良く知られていますが、虫歯の原因菌がなくても、身近な酸性の食べ物や飲み物が歯を溶かすということを皆さんは知ってますか?

 

酸蝕とは、酸性の食べ物や飲み物が歯と触れる事でおこります。実は、どんな人でも日常的に酸の影響を受けていますが、唾液の力によってエナメル質が補修され、そのバランスが保たれているおかげで歯の健康が維持されています。しかし、そのバランスが崩れて、酸の影響を過剰に受けた時に、酸蝕という問題がおきてきます。

 

口の中のpHは、通常唾液によって中性に保たれています。しかし、酸性の食べ物や飲み物を口に入れると、口の中は酸性に傾き、エナメル質が溶け始めてしまいます。これを『脱灰』と言います。しかし一方では、唾液が酸を中和して、唾液に含まれるカルシウムなどにより歯を修復してくれます。これを『再石灰化』と言います。通常はこの脱灰と再石灰化のバランスが保たれて、歯の健康が維持されます。しかし、酸性の食べ物や飲み物に歯が長く触れたり、唾液の減少などが原因で再石灰化が進まないと、バランスは崩れ、脱灰が進行してしまいます。

酸蝕歯は、歯が薄く脆くなったり、透けたり、黄ばんだりします。また、しみやすくなったりもします。脱灰が進むと、二度と元には戻りません。

酸蝕歯になりやすいかどうかは食習慣や生活習慣によります。普通は、頻繁に酸に触れない限り酸蝕歯にはなりません。でも、毎日続けているライフスタイルの中に酸蝕歯になるリスクが含まれていると、知らない間に繰り返されて悪化します。

 

中性のミネラルウォーターは、通常pH7です。数字が7より小さいと酸性、大きいとアルカリ性になります。pH5.5より小さい数値の飲食物に長時間触れると溶けてしまいます。例えば次のような物が挙げられます。

清涼飲料水(特にコーラなど),栄養ドリンク,スポーツドリンク,黒酢飲料,酢,ドレッシング,オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類,ワイン,ビールなどです。

 

予防としては、、、

原因となる物の摂取量を減らしたり、原因となる飲食物などを長時間口の中に入れず、摂取後は水やお茶ですすぎ洗いしましょう。

酸性の飲食物を摂取したら、30分程歯磨きを控えましょう。食後すぐの歯磨きは、本来は虫歯を予防する為のとても良い習慣です。ただし、酸に触れて柔らかくなっている歯をゴシゴシと磨くと、エナメル質の表面が削れてしまいます。そこで、酸性の飲食物を摂取した後は、まずお水やお茶を飲み、唾液の力で軟化がおさまる30分ほど後に歯を磨くと良いでしょう。

フッ素入りの歯磨き剤を使ってエナメル質をケアして歯質を強くしたりしましょう。

また、手遅れになる前に、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。

 

気になる事がある方はいつでも御相談下さい。

オリオン歯科スタッフ一同お待ちしております。