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2013.11.06

たかが口内炎、されど口内炎

こんにちは。オリオン歯科汐留、歯科医師の南です。

 

 

☆口内炎、じつは種類はさまざま!

 

「口内炎」という言葉を聞いて、みなさんはどんな病変を思い浮かべますか?おそらく、ポツッと白いものができて痛い「アフタ」を思い浮かべるのではないでしょうか。

「アフタ」は多くの方が経験する口内炎で、そのため「口内炎」という言葉は「アフタ」の代名詞のように使われる事もおおいですね。

 

もともと「口内炎」とは、口の粘膜に起きる炎症の症状を、かなり大雑把にひとくくりにして表現する、とても便利な俗称なんです。

「口内炎」と一般的に呼ばれる症状のなかには、アフタのほか、カンジダ、ウイルス感染によってできる水泡、誤って噛んでできたキズの炎症、それから全身疾患の症状がお口に出たもの、がんに変化する前の病変など、数多くのトラブルが含まれます。

 

 

☆なぜ見た目が似るの?

 

ふだんあまり意識はしてはいませんが、私達のお口の中には、バイ菌がいっぱいいます。

楊枝の先にちょこっとついた程度のプラークのなかに、数億のバイ菌がいるというのですから、トータルすれば相当の数になります。

まして、お掃除を丁寧にしていないお口の中には、たいへんな数のバイ菌がいるはずです。

 

そのためお口の粘膜にできたキズ、水泡、前がん病変も、それ自体には炎症がなくても、二次的に感染を起こしやすいのです。

お口に入ってきた硬い食べ物は粘膜をこすります。

水泡はあっという間につぶれ、破れます。

すると最終的にはどの病変もおなじような炎症によって、同じような顔に見え、十把ひとからげに「口内炎」と認識されやすい、というわけです。

 

 

☆粘膜チェックでお口もからだも健康に!

 

みなさんのお口の中にできた炎症は、ほとんどの場合、放っておいても平気なアフタやキズでしょう。

ただ、さまざまな患者さんを診察している私たちは、「もっと早くに受診してくれていたらなぁ」という深刻な場面にも少なからず、出会うのです。

 

そこで、口内炎ができたとき「これは大丈夫だな」とか「何かへんだぞ」と念のため疑ってみるポイントを覚えておいてください。

粘膜の細胞は2週間で入れ替わります。それを過ぎてもなかなか改善してこないというときには「なにかへんかな?」と念のため疑ってみてください。

 

粘膜の健康は、からだの健康にとって、大切なバロメーター。

お口の粘膜の健康も日頃から目を向けて、お口とからだの健康を維持していきましょう。